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アベ政治がもたらすもの(第2章)

第二章 労働政策と安倍政権
「世界で一番企業が活動しやすい国」にするために「労働法制の原則」の破壊が行われ、日本は「世界で一番労働者が虐げられる国」になろうとしている。一生派遣社員として生きることになる派遣法の改悪が行われた。これは、一〇月一日に施行される「みなし雇用法案」を財界の希望通り使えなくするために出されたものである。非常に姑息な手段である。「みなし雇用法案」とは、違反派遣があった場合は、派遣先は派遣社員を正社員とみなすこととするという法律で、国会で全会一致で可決されたものである。しかし、今回の派遣法の改悪により、今まで違反派遣であったものが違反でなくなってしまったのである。よって、「みなし雇用法案」の前提となる違反行為そのものが壊されてしまい、派遣労働者の正社員への道が閉ざされてしまったのである。本来派遣は一時的な仕事や限定された専門的な仕事にだけ認められるものだった。一時的な仕事ではく、日常的に必要な仕事ならば期間の定めのない正社員にするのが当たり前である。ところが、法案では企業の労働組合に言えば(認めなくて)、継続して派遣を認めることにしている。なぜ、これほど派遣に固執するのか。それは、派遣の方が安く使えるからである。ヨーロッパでは均等待遇が当たり前であり、派遣にするメリットがない。もし、派遣という働き方を認めるならば、「均等待遇か或いは正社員よりも待遇をよくしないといけない」とすればいいだろう。そうしたら、派遣のメリットがなくなるので、企業は派遣を減らすだろう。
さらに、労働時間に縛られないかたちにする残業代ゼロ法案にも執念を燃やしている。所得によって制限を加えているが、財界はすべての労働者へ拡げることを希望している。
多くの若者が正社員への道をふさがれ、低賃金となり、生活困窮者となる。もしかしたら、そんな人たちを狙って自衛隊から誘いがあるかもしれない。アメリカでも問題になっている、いわゆる経済的徴兵制に向かっていくのかもしれない。そのための派遣法改悪と考えてもあながちまちがいでないかもしれない。恐ろしいことであるが・・・。そして、正社員は過労死で死んでいく。こんな社会に未来はない。