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会話シリーズ(その7:広がる国民の運動)

ある教室での会話シリーズ(その7)

B夫 この間ネットを見ていたら、京大の先生や学生の人たちが安保法案にい対して反対しているってニュースがあったんだ。テレビのニュースでも多くの人たちが国会周辺に集まって声を出している様子が出ていたけど。
A子 へぇ。ちょっと調べてみるね。あっあった。何か宣言みたいなものが書いてあるわ。読んでみるわね。
B夫 文字が小さいけど読める?僕が読んであげるよ。
戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。

戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。

精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。

海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。

血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。

学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。

生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。
自由と平和のための京大有志の会
S先生 おっ。何やら勇ましいね。京大の人たちのやつだね。でもちょっと内容が難しいかな。これをもっとわかりやすく小さな子どもたちでも分かるようにしたものがあるんだね。読んでみるかい?

A子 今度は私が読んであげるね。
わたしの『やめて』

くにと くにの けんかを せんそうと いいます
せんそうは 「ぼくが ころされないように さきに ころすんだ」という だれかの いいわけで はじまります
せんそうは ひとごろしの どうぐを うる おみせを もうけさせます
せんそうは はじまると だれにも とめられません

せんそうは はじめるのは かんたんだけど おわるのは むずかしい
せんそうは へいたいさんも おとしよりも こどもも くるしめます
せんそうは てや あしを ちぎり こころも ひきさきます

わたしの こころは わたしのもの
だれかに あやつられたくない
わたしの いのちは わたしのもの
だれかの どうぐに なりたくない

うみが ひろいのは ひとをころす きちを つくるためじゃない
そらが たかいのは ひとをころす ひこうきが とぶためじゃない

げんこつで ひとを きずつけて えらそうに いばっているよりも こころを はたらかせて きずつけられた ひとを はげましたい

がっこうで まなぶのは ひとごろしの どうぐを つくるためじゃない
がっこうで まなぶのは おかねもうけの ためじゃない
がっこうで まなぶのは だれかの いいなりに なるためじゃない

じぶんや みんなの いのちを だいじにして
いつも すきなことを かんがえたり おはなししたり したい
でも せんそうは それを じゃまするんだ

だから せんそうを はじめようとする ひとたちに わたしは おおきなこえで 「やめて」 というんだ
じゆうと へいわの ための きょうだい ゆうしの かい
S先生 う~ん。とてもわかりやすいね。戦争というものが人と人が殺し合うことであることが、戦争を体験していない僕たちには分かりづらいけど、今世界でおきている戦争に目をやれば、人がむごたらしい姿で死んでいくことが分かるよね。でも、国会で聞いている答弁ではその辺りの想像力がないというか、見ようとしないというか、自分たち以外のものが自衛隊員になり、死んでいくから関係ないと思っているのか、何やら人の命を軽く見ているような気がするね。何せ、戦争を火事と同じとしか感じていないらしいからね。
A子 そうそう。何やら首相は国民の理解が進んでいないと言うけど、みんなが行動を始めていると言うことは、理解が進んでいるんじゃないかな?理解が進むほどこれに反対しないといけないという気になってきているんだと思うわ。
B夫 そうだと僕も思うよ。だって、戦争に行く可能性のあるのは僕たち若者だもの。戦争に行くことのない人たちに僕たちの将来を決めて欲しくないな。だから、僕たちもできることから声を上げていきたいと思うよ。早速、友達に広めていくよ。