ある教室での会話シリーズ(その2)
B夫 この間、いとこの正君が就職したんだけれど、なにやらブラック企業らしいんだ。帰りがいつも夜中だっていう話だよ。
A子 へーえ。どういう会社なの。
B夫 結構有名な会社だよ。きっと知っていると思うよ。この間、ブラック企業大賞を受けたと聞いたけど。
A子で、ブラック企業って何なの。
B夫 普通は働く時間って決まっているよね。たとえば朝9時に始まって、夕方5時に終わるとかね。そして、どうしても仕事が終わらない場合は残業っていうのがあって、その場合は残業手当っていうものがつくのが普通なんだね。でもブラック企業は、サービス残業という形で手当を出さなかったりするんだ。
A子 それってただ働きじゃないの?ひどい。でもそんな会社だったらやめればいいんじゃないの?
B夫 今は不景気でなかなか大学を卒業しても就職できないんだよ。だから、首を切られたらどうしようと思ってなかなか言い出せないんだよ。でも、そんな会社に勤めていたら病気になってしまいそうだけど。
A子 そうか。ブラック企業って結局こちらの弱みにつけ込んでいるんだ。許せないな。
B夫 そういえば、ニュースでやっていたけどなにやら今の政府はサービス残業ができるようにしたりするらしいけど。
S先生 何やら難しそうな話をしているね。サービス残業の話かい。今まで労働者を守るためにいろいろな法律ができているんだけど、それは企業からみたら嫌な法律なんだね。そんな法律を変えるために、企業はいろいろと政府に注文つけているんだ。
A子 あっ。先生。先生たちって結構学校に遅くまでいるけど残業手当ってついているの?
S先生 えっ。何を突然。ふ~ん。いとこがブラック企業にね。いま問題になっているものな。学校の先生たちはいつまで残っていても残業代は出ないんだ。だから、学校って一種のブラック企業かもしれないね。生徒たちが質問に来たり相談に来たりして遅くなるのはしょうがないと思うけど、それ以外で遅くなったりするからね。
B夫 ふ~ん。先生たちも大変なんだ。
S先生 日本社会自体がなにやら変な方向に進もうとしているからね。結局「企業栄えて国民苦しむ」というような感じだね。君らはまだこれから大学とかにいくことになるけど、今はブラックバイトなんていうのが出てきているから気をつけようね。
B夫 ブラックバイトか。うちのお兄ちゃんも、試験が近いのに仕事が回ってきて大変だったらしいよ。なにやら嫌ですと言えない雰囲気らしいよ。少ない人で無理矢理やっているからバイトがいないと回っていかないらしいよ。
A子 バイトで試験が不合格になって留年なんてなったらアホらしいね。そんなバイトをしなくても大学に通えるようにして欲しいわ。何かニュースで総理大臣の顔を見るととても私たちのことを考えているようには見えないのは私だけかな。
B夫 いや。きっと考えていないと思うよ。考えていたらもっとよくなるはずだもの。ねぇ先生。
S先生 そうだね。よい社会になるようにするには、今の政府が何をやっているかをしっかりとみて、だめな部分が多ければ違う政府にするようにみんなが行動しないといけないんだね。君たちはまだ選挙権がないけれど、今から政府のやることをよく見ておいたほうがいいと思うよ。
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