2019年を振り返ってみると

伊藤詩織さんの裁判

 伊藤詩織さんが山口敬之・元TBSワシントン支部長から受けた「レイプ被害」について東京地裁に提訴した裁判で勝利判決を受けました。刑事事件では不起訴処分となりましたが、これには安倍友の存在も示唆されました。伊藤さんについては多くのパッシングがあり「セカンドレイプ」ともなりました。これらについても伊藤さんは追求する姿勢です。報道では、もう少し不起訴処分になった部分についての追求が欲しいですね。なにはともあれ、性犯罪をめぐる刑法規定の見直しへの第一歩となりました。

大学入試試験の民間英語試験と記述問題導入問題

 萩生田文科相の「身の丈」発言から大きな動きが出ました。報道ではこの発言が元になって民間英語試験について延期になったと言っていますが、それだけでなく全国の高校生たちの行動が大きな力を発揮しました。ある高校生は記述式導入の中止を求める4万2千人分の署名を提出したりしました。なにより、自分達の人生が民間の手に委ねられてしまう不安が大きいと思います。誰のための改革なのかをもう一度見直す必要があるでしょう。これにも大きな利権(教育産業と政治家)が絡んでいるような気がします。

あいちトリエンナーレ2019と表現の自由

 8月から始まったあいちトリエンアーレ2019。その中の企画展「表現の不自由展・その後」が、いくつかの政治的な圧力、名古屋市の河村市長などの訳の分からない圧力、電話やメールでの脅迫を受けて開幕後3日で閉鎖されました。そして、その後は文化庁が9月に補助金全額の7800万円の不交付を決定するなどの問題がありました。これらについては国内外から大きな批判と当事者への支援がありました。この事件で日本の「表現の自由」について多くの人たちが考えました。お金を出す以上口を出すというというのは、民主国家としてあるまじきことです。もしこれが認められるなら政府に都合の悪い芸術は補助を得られないことになります。国民も政府のやっていることをすべて認めているわけではありません。政府の政策に反対している人も国民です。批判の中には大切な国民からの税金を政府批判するものに使ってはいけないというニュアンスでいっているものもあります。どう考えてもこれはおかしいですね。自分達の思いを「自由に表現」できない状態は異常です。もっとマスコミも深く突っ込んで欲しい話題です。

様々な自然災害が・・・

 この1年間を振り返ると、地震や記録的な豪雨、大型台風の上陸による大きな被害がありました。地球の様子がおかしくなってきているようです。台風では多くの河川が氾濫しました。ダムの貯水量が超えてしまうための放水の問題や堤防の補強の問題などが見えてきています。さらに、被害を受けた人たちへの早急な生活再建支援が必要です。未だに自分の家に帰れない人たちも多くいます。台風が来ているときに内閣改造を行ったりしていた安倍政権ではこれらの被害に対する思いはきっとないのでしょう。弱い立場のものたちのことを考えないのが安倍政権ですから。

令和になったけど

 5月1日に即位の礼があり、元号が平成から令和になりました。テレビではその頃はどのチャンネルも即位の礼やその後につづく儀式が延々と流されました。しかし、これらのことと憲法のとの関係などをしっかりと捉えて解説する様な番組は皆無でした。あくまでも天皇の地位は日本国民の総意に基づくと憲法に書いてあります。そして天皇の国事行為と即位における儀式との関係ももっと問題にすべきでした。テレビで少しだけみたのですが、新天皇の前で安倍首相がバイザイを三唱したりする姿を見たとき、時代錯誤というか異様なものを見た気がしました。

いよいよ安倍政権も終わりか・・・

 2019年。モリカケ問題が段々と忘れられてきている中、再び大きな問題が安倍政権から出てきました。例の「桜を見る会」の問題です。今回は、安倍首相そのものの疑惑なのでかなりの痛手を被るはずだし、他の国なら完全に政権が吹っ飛ぶ様な問題です。自分のために国民の税金を使って会を開く。反社会的な人物を呼んだり、自分の好きなタレントや応援してくれる安倍友を呼んだりとほとんど私物化です。これについて、テレビでは応援団が「時間がもったいない、国会ではもっとしっかりと議論すべきことがあるだろう」などといって幕引きや野党を批判しています。しかしよく考えたら、内閣が資料を出せばすぐに終わる話を延々と資料を出さずに伸ばしている状態です。どちらが問題なのか。どう考えても悪いのは政府でしょう。このことで日本という国が政治については三流国であると見られてしまっています。いわば国益を損なっているわけですから、愛国者と呼ばれる人たちはもっと安倍政権を批判すべきですね。ここまで来てもまだ安倍政権を支持する人たちが40%近くいます。ここで安倍政権が終わらなかったら日本の未来はないような気がします。

 2019年はどういった年だったろうか。すぐに忘れてしまうと言われている日本人。それではダメだと思って、ちょっと振り返ってみる資料が必要だと思ったので、頑張ってみます。
1月
・熊本県和水町で震度6弱の地震
・安倍政権の原発輸出計画失敗(日立製作所が英国での原発建設を凍結)
2月
・豚コレラ感染の豚が発見された(これ以降広がっていく)
・北海道胆振地方中東部地震(厚真町震度6弱)
・探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に着陸。
・米軍新基地建設の埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票で、反対が投票総数の71.7%(43万票以上)を獲得。
3月
・辺野古への埋め立てで、新たな区画への土砂投入強行。
・19年度予算成立。社会保障費の自然増分の削減しながら、軍事費が過去最高額に。
4月
・新元号を発表
・塚田一郎国交副大臣が辞表提出(下関北九州道路整備問題での発言で)。
・桜田義孝五輪相が辞表提出(自民党衆議員のパーティーで、議員は復興以上に大事と発言)
・東電が福島第1原発3号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業を開始。
・ジャパンライフ(マルチ商法)問題で、警察が会長宅などを家宅捜査。
5月
・即位の礼
6月
・沖縄県浦添市の中学校のテニスコートに約20センチ四方の薄い物体が落下。普天間基地所属CH53Eの部品。
・「イージス・アショア」の配備に向けた調査結果の数値に誤りがあり、謝罪訂正した。
・山形県沖地震で新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱を記録
・沖縄慰霊の日。安倍首相はあいさつで辺野古について語らず。
・諫早湾干拓事業で長崎・佐賀県の漁業者が堤防開門を求めた訴訟で、最高裁が漁業者の上告を退ける決定
・ハンセン病患者隔離政策で家族も差別を受けたとしての国への賠償訴訟で熊本地裁は国の責任を認めて初の賠償命令を出した。
・大阪市でG20首脳会議
7月
・京都アニメーションで放火事件。
・ハンセン病隔離政策による差別被害を訴えた家族と首相が面会し、謝罪。
8月
・リクナビを運営するリクルートキャリアが就職活動中の学生の内定辞退率予測を企業に販売していたことが判明
・輸出管理の優遇対象国から韓国を除外。
・広島長崎での平和式典。
9月
・沖縄県国頭村の訓練場返還跡地に普天間基地所属のヘリが着陸。
・東電裁判で、3被告に無罪判決
・かんぽ生命保険の不正販売についてのNHK番組に対してNHK経営委員会が日本郵政グループの申し入れを受けてNHK会長を厳重注意し、NHKが続編の放送を見送る
・関西電力会長ら幹部が高浜町元助役から計3億2000万円を受領していたことが判明
・文化庁が「あいちトリエンナーレ」への補助金の不交付決定
10月
・消費税10%に
・沖縄県宮古島市で防衛省が陸自ミサイル基地配備のための弾薬庫建設工事に着手。
・あいちトリエンナーレで閉鎖されていた「表現の不自由展」が再開。
・厚生省の8月勤労統計調査で実質賃金が8ヶ月連続でマイナス。
・関西電力会長が辞任。
・菅原一秀経済作業相が辞任(選挙区内での寄付行為疑惑)。
・米軍嘉手納基地でSACO合意違反のパラシュート降下訓練を強行
・河井克行法相が辞任(妻・河井案里参院議員の事務所の公職選挙違反疑惑で)
・世界遺産首里城が全焼
11月
・大学入試試験への英語民間試験導入の延期を発表
・桜を見る会に関する参議院予算委員会での日本共産党の田村副委員長の質問で大きな問題に。
・東京五輪のマラソン競技を札幌市に変更。
・米軍三沢基地所属のF16戦闘機が基地外の敷地に模擬爆弾を落下
・変遷秒家族補償法が成立
・フランシスコ教皇が來日。長崎、広島両市を訪れ「核兵器についてのメッセージ」を発表
・原子力規制委が、東北電力女川原発2号機について再稼働に必要な新規制基準に適合するとの審査書案を了承。
12月
・参議院本会議で、日米貿易協定承認案、1年単位の変形労働時間を公立学校教員に導入する改訂特別措置法が可決
・自公両党が20年度の税制改定大綱を決定。大企業優遇策を盛り込む。
・伊藤詩織さんの東京地裁に提訴した裁判で勝訴。
・大学入試試験での記述式問題導入の見送りを表明
・政府の全世代型社会保障検討会議が原則1割の75歳以上の医療窓口負担を2割負担にするなどを盛り込んだ中間報告
・20年度予算案閣議決定。総額は過去最高の102兆5680億円。社会保障費の自然増圧縮と軍事費は過去最高という予算。
・辺野古米軍基地の埋め立て工期を5年から10年に延びると見込み
・秋本司衆議員逮捕(IRにおける中国企業との収賄容疑)
・中東・アラビア半島南部イエメン沖への自衛隊派兵を閣議決定
・かんぽグループ3社社長が年明けに辞任と表明。

ということで、いろいろなことがありました。台風の被害も多く、地震も頻繁に起きています。自然からの警報がなされているのかもしれません。